002:暮れなずむ岸壁
夕焼けが翳る頃には あっちを見れば、まだ空が明るく、 こっちを見れば、もう空が暗い。 島影が次第に濃くなって、
水平線から身を投げようとする太陽は、 見る間に海に落ちていく。 そこから流れ出す赤い絵具が、 波間をまっすぐにこちらまで伸びてきて、
空にはぽっかりお月さま。